育休中に学び直しオンライン講座を受講する方法と給付金への影響【2025年最新】

育児休業制度

育休中に「せっかくの時間を使ってスキルアップしたい」「復職後にキャリアチェンジを考えている」と感じている方は多いのではないでしょうか。実は、育児休業給付金を受け取りながら、教育訓練給付金も同時に活用できる制度が整っています。

この記事では、育休中に学び直しオンライン講座を受講する方法から、給付金への影響申請手続きの流れまでを2025年最新情報でわかりやすく解説します。


育休中に学び直しはできる?制度の基本と給付金への影響を解説

育休中であっても、雇用保険の被保険者資格は継続しています。つまり、育児休業中の方も教育訓練給付制度を利用して、オンライン講座や資格取得講座を受講する権利があります。

まず「2つの給付金の関係」と「育休中の雇用保険加入期間の考え方」を整理しておきましょう。

育児休業給付金と教育訓練給付金は「併給できる」のか?

結論:原則として併給可能です。

給付金の種類 根拠法令 財源 性質
育児休業給付金 雇用保険法 第61条の7 雇用保険(育児休業給付) 休業中の所得補償
教育訓練給付金 雇用保険法 第60条の2〜第60条の6 雇用保険(二事業等) 受講費用の一部補填

2つの給付金は同じ雇用保険を財源としますが、法律上は独立した制度として設計されています。育児休業給付金はあくまで「休業中の収入補償」であり、教育訓練給付金は「受講費用の補填」です。支給目的が異なるため、一方の受給がもう一方を排除する規定は存在しません。

ただし、育児休業中に就業したとみなされる活動(賃金が発生するもの)は育児休業給付金に影響を与える可能性があります。オンライン講座の受講は「就業」には該当しないため、給付金の減額・不支給要件には原則含まれません。不安な場合は受講前にハローワークへ確認しておきましょう。

育休中の雇用保険加入期間はどうカウントされる?

育児休業中も雇用関係は存続しているため、雇用保険の被保険者資格は継続します。これは、育児・介護休業法第10条(不利益取扱いの禁止)の趣旨とも合致しており、休業期間中も加入期間として算定されます。

法的根拠: 雇用保険法第14条では、被保険者期間の計算において「被保険者であった期間」を基準とし、育児休業による離職がない限り継続して算定されます。

つまり、育休に入る前に雇用保険に加入していた期間と、育休中の期間を合算して給付要件を満たせば、教育訓練給付金の受給資格を維持・獲得することが可能です。


育休中に教育訓練給付を受けるための対象者条件と確認チェックリスト

教育訓練給付には「一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」の2種類があります。それぞれの条件を確認し、自分がどちらに該当するかチェックしましょう。

一般教育訓練給付の受給条件(加入期間・初回・2回目以降)

対象講座例: 簿記・英語・ITパスポートなど比較的短期の資格講座、オンライン学習プログラム

項目 条件
加入期間(初回) 雇用保険の通算加入期間が 1年以上
加入期間(2回目以降) 前回の受給から 3年以上 経過
訓練開始日の要件 雇用保険被保険者であること(育休中は該当)
給付率 受講費用の 20%(上限10万円)

育休中チェックポイント: 訓練開始日時点で育児休業中(被保険者継続中)であれば、通算加入1年以上で受給資格あり。

専門実践教育訓練給付の受給条件(中長期・高度なスキル取得向け)

対象講座例: 看護師・保育士・ITエンジニア・社会福祉士など国家資格や業務独占資格、MBA、クラウドエンジニア認定講座など

項目 条件
加入期間(初回) 通算 3年以上(初めての受給は2年以上に緩和の場合あり)
加入期間(2回目以降) 前回の受給から 3年以上 経過
訓練前キャリアコンサルティング 受講開始1か月前までに ジョブ・カードを活用した事前相談 が必須
給付率(受講中) 受講費用の 50%(6か月ごと・上限40万円/年)
給付率(修了後・資格取得時) 受講費用の 70%(追加給付20%・上限56万円/年)

育休中チェックポイント: 訓練前キャリアコンサルティングはハローワークで実施。育休中でも受講可能。受講開始の 1か月前まで に手続きを完了させること。

自分が対象か確認するチェックリスト

以下の項目で自分の状況を確認してください。

□ 現在、育児休業中である
□ 雇用保険に加入している(または加入していた)
□ 雇用保険の通算加入期間が1年以上(一般)または3年以上(専門実践)
□ 受講したい講座が厚生労働省の「指定講座」に含まれている
□ 過去に教育訓練給付を受けた場合、前回受給から3年以上経過している
□ 専門実践を希望する場合、受講開始1か月前までにハローワーク相談を予約できる

給付金の計算方法と受け取れる金額のシミュレーション

一般教育訓練給付のシミュレーション

受講費用 給付率 受取額
30,000円 20% 6,000円
80,000円 20% 16,000円
500,000円 20% 100,000円(上限)

最低支給額は4,000円(受講費用が20,000円以上の場合に支給)

専門実践教育訓練給付のシミュレーション

受講費用(総額) 受講中給付(50%) 資格取得後追加給付(+20%) 合計受取額
300,000円 150,000円 60,000円 210,000円
600,000円 300,000円 120,000円 420,000円
800,000円/年 400,000円(上限) 160,000円(上限) 560,000円(上限)

※支給は6か月ごとにハローワークへ申請します。最終的な給付率70%は資格取得と就職(または復職)の条件を満たした場合に適用されます。


手続きの流れ:申請から受給完了までのステップ

育休中に教育訓練給付を受けるまでの全体の流れを時系列で整理します。

STEP 1|指定講座の検索・確認(受講開始の2〜3か月前)

厚生労働省が運営する「教育訓練給付制度 検索システム(ALPS)」で、受講したい講座が指定講座かどうかを確認します。

  • URL:https://www.hellowork.mhlw.go.jp/(ハローワークインターネットサービス内)
  • オンライン講座も多数指定されているため、育休中の自宅学習でも利用可能

STEP 2|ハローワークへ相談・受給資格確認(受講開始1か月前まで)

最寄りのハローワークへ赴き、以下を行います。

専門実践教育訓練給付の場合(必須)
– ジョブ・カードを活用した訓練前キャリアコンサルティングを受ける
– キャリアコンサルタントとの相談記録が申請書類に必要

一般・専門実践共通
教育訓練給付受給資格確認票の発行を依頼
– 自分の加入期間・受給資格を確認してもらう

STEP 3|必要書類の準備

書類名 入手先 備考
教育訓練給付金支給申請書 ハローワーク窓口または訓練施設 受講修了後に記入
受給資格者証(または教育訓練給付適用対象期間延長通知書) ハローワーク発行 育休中は適用対象期間延長制度の利用を確認
教育訓練修了証明書 訓練施設が発行 修了後に取得
領収書(受講費用の支払い証明) 訓練施設 原本が必要
本人確認書類(マイナンバーカード等) 自身で用意
ジョブ・カード(専門実践のみ) キャリアコンサルティング時に作成
雇用保険被保険者証 勤務先または会社経由でハローワーク発行 加入期間の確認に使用

育休中の特例:「適用対象期間の延長」制度
育休などで受講を中断・延長した場合、通常は離職後1年以内という条件がありますが、育児・介護・疾病等による休業期間はその延長分として最大20年まで猶予される特例があります(雇用保険法第60条の2第3項)。育休終了後に改めて受講する場合も対象期間内に収まるケースが多いため、ハローワークへ確認しましょう。

STEP 4|講座の受講開始

指定講座の申込みを行い、受講を開始します。育休中に無理のないペースで進められるオンライン講座は、育児との両立に特に適しています。

STEP 5|修了後の申請(修了日の翌日から1か月以内)

受講修了後、修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ支給申請を行います。

専門実践教育訓練給付では、6か月ごとに在籍確認申請が必要です。修了後にさらに資格取得・就職(復職)の確認書類を追加提出することで、追加給付(20%分)を受け取れます。


育休中の学び直しにおすすめのオンライン講座カテゴリ

育休中という限られた時間・環境でも取り組みやすいオンライン講座を紹介します。いずれも教育訓練給付の指定講座に含まれるものが多い分野です。

分野 代表的な講座・資格 活用シーン
ITスキル Python・AWS・基本情報技術者・ITパスポート 復職後のDX推進・エンジニア転職
ビジネス・会計 簿記2・3級・中小企業診断士・FP技能士 管理部門・フリーランス・独立
語学 TOEIC・英会話・中国語検定 外資系転職・グローバル業務
医療・福祉 保育士・社会福祉士・看護師(通信) キャリアチェンジ・社会復帰
デザイン・クリエイティブ Webデザイン・グラフィックデザイン フリーランス・副業・転職

よくある質問(FAQ)

Q1. 育休中に資格取得の勉強をすると育児休業給付金は減額されますか?

A. オンライン講座の受講は「就業」にはあたらないため、育児休業給付金の減額要件には該当しません。育児休業給付金は「休業中に就業(賃金が発生する勤務)した日数・時間」によって影響を受けますが、学習・受講そのものは対象外です。ただし、資格取得に関連して有償の業務(コンサルティング・ライター等)を行った場合は別途確認が必要です。

Q2. 雇用保険に3年しか加入していません。専門実践教育訓練給付は使えますか?

A. 初回受給の場合、通算2年以上の加入期間があれば受給可能なケースもあります(厚生労働省の緩和措置。受講開始時点の状況によって異なる)。ハローワークで正確な加入期間を確認したうえで申請の可否を判断してください。

Q3. 育休終了後に復職しないとキャリアアップ助成金や追加給付はもらえませんか?

A. 専門実践教育訓練給付の追加給付(20%)は、「資格取得」かつ「受講修了後1年以内に雇用保険被保険者として就職または在職」が条件です。育休終了後に同じ会社へ復職すれば「在職」として条件を満たします。転職先への就職でも要件を満たします。

Q4. 育休中にキャリアコンサルティングの予約はどうすれば取れますか?

A. ハローワークの窓口またはハローワークインターネットサービスから相談予約が可能です。育休中で来所が難しい場合は、オンライン相談(テレビ電話)に対応しているハローワークも増えています。事前に最寄りのハローワークへ電話確認をしてみましょう。

Q5. 育休中に受講を開始して、育休終了後も受講が続く場合はどうなりますか?

A. 育休開始前・育休中・復職後にまたがって受講する場合でも、雇用保険被保険者として在籍していれば給付資格は継続します。適用対象期間の延長申請を行っておくと、万が一の場合に対応期間の余裕が生まれます。受講スケジュールが複雑な場合は、受講開始前にハローワークへ相談することをおすすめします。


まとめ:育休中の学び直しは「制度を知る」ことが最大の第一歩

育休中の学び直しをめぐるポイントを整理します。

確認事項 ポイント
給付金の併給 育児休業給付金と教育訓練給付金は原則として併給可能
雇用保険加入期間 育休中も継続カウントされ、給付資格は失われない
一般教育訓練給付 加入1年以上で受講費用の20%(上限10万円)が支給
専門実践教育訓練給付 加入3年以上で最大70%(上限約56万円/年)が支給、訓練前相談が必須
手続きの期限 専門実践は受講開始1か月前までにキャリアコンサルティング受講が必要
修了後の申請期限 修了日翌日から1か月以内にハローワークへ申請

育休中という時間は、日常の業務から離れてじっくり自分のキャリアを見つめ直せる貴重な機会です。給付金制度を正しく理解・活用することで、経済的な負担を抑えながら復職後のキャリアに備えることができます

まずはハローワークで自分の受給資格を確認することから始めてみましょう。厚生労働省のWebサイトやハローワークインターネットサービスで最新の指定講座検索や制度説明を確認したうえで、育休というチャンスを最大限に活かしてください。


免責事項: 本記事は2025年時点の情報をもとに執筆しています。制度の内容は改正される場合があります。実際の申請・手続きにあたっては、最寄りのハローワークまたは厚生労働省の公式情報をご確認ください。

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