第二子出産で給付継続できる?育休中の手続きと金額【2025年版】

第二子出産で給付継続できる?育休中の手続きと金額【2025年版】 育児休業制度

第一子の育休中に第二子を妊娠・出産するケースは年々増加しており、「今もらっている給付金はどうなるの?」「手続きをしないと損をする?」という不安の声をよく耳にします。

結論から言えば、正しく手続きをすれば給付金は途切れることなく継続できます。ただし「自動的に継続される」わけではなく、切り替えのタイミングと申請手順を正確に把握しておくことが不可欠です。

本記事では、厚生労働省の育児・介護休業法および雇用保険法に基づき、第一子の育休給付金がいつまで受け取れるか、第二子分の給付金はいつから・どう申請するか、出産手当金との併給条件、必要書類と申請期限まで、2025年時点の制度に基づいて詳しく解説します。給付金を一日も損しない正確な申請方法を身につけましょう。


育休中に第二子を出産した場合、給付金はどうなる?【基本の考え方】

第一子の育児休業給付金は出産日まで受給できる

育児・介護休業法では、「育休中に新たな子が出生した」という事由を育休の終了事由として定めています。具体的には、第二子の出産日(または前日)が第一子育休の終了日となり、その日まで育児休業給付金を受け取ることができます。

たとえば、次のような日程を例に考えてみましょう。

日付 出来事
2024年4月1日 第一子の育休開始
2025年5月10日 第二子出産予定日
2025年5月9日 第一子の育休終了日(前日)
2025年5月10日 産後休業または第二子育休開始

この例では、第一子の育休は5月9日まで有効であり、その日まで育児休業給付金の対象期間になります。出産日を過ぎても申請しなければ自動で延長されることはなく、逆に手続き漏れが生じると給付を受けられない期間が発生する可能性があるため注意が必要です。

なお、産前休業(出産予定日の42日前=6週前から取得可能)を取得する場合は、産前休業開始日の前日が第一子育休の終了日になります。産前休業を取るかどうかによって、第一子給付金の受給終了時期が変わる点も覚えておきましょう。

第二子分の給付金は新たに申請が必要になる

「育児休業給付金は自動的に引き継がれる」と思っている方が多いですが、これは誤解です。第二子の育休は法律上「新規の育児休業取得」として扱われるため、第二子専用の育休申請と給付金申請を改めてハローワークへ提出しなければなりません。

手続きの流れは大きく次の2段階になります。

  1. 育児休業申請:勤務先(会社)に対して、第二子についての育児休業取得を申し出る
  2. 育児休業給付金申請:勤務先を経由してハローワーク(公共職業安定所)に給付金の受給申請を行う

第二子の育休は原則として、出産後8週間の産後休業期間が終わった翌日から開始できます。産後休業中は「出産手当金(健康保険から支給)」を受け取ることになり、産後休業明けから第二子の育児休業給付金に切り替わる仕組みです。


出産手当金と育児休業給付金は同時にもらえる?【併給の条件】

産前休業を取得しないことが併給の大前提

第二子出産に伴う給付金の整理で最も複雑なのが「出産手当金との関係」です。

出産手当金は健康保険から支給される給付金で、産前42日(多胎の場合は98日)〜産後56日の「産前産後休業(産休)」中に受け取れます。一方、育児休業給付金は雇用保険から支給されます。

この2つが重なる期間に発生した場合に同時受給(併給)が可能かどうかが問題になります。整理すると以下のとおりです。

状況 第一子の育児休業給付金 第二子の出産手当金
産前休業を取得しない場合 出産日前日まで受給可能 産後休業中(産後56日)に受給
産前休業を取得する場合 産前休業開始日の前日で終了 産前42日〜産後56日に受給

産前休業を取得しない場合は、第二子の出産日前日まで第一子の育休給付金を受け取れるうえ、出産後の産後休業中は出産手当金を受け取れます。この2つの給付は受給期間が重複しないため、実質的に「切れ目なく」給付を受け取ることができます。

一方、産前休業を取得した場合、産前休業の開始時点で第一子の育休は終了します。産前〜産後は出産手当金を受給し、産後休業終了後に第二子の育休を開始して育児休業給付金へ切り替わる流れになります。

ポイント: 「産前休業を取らずに出産まで育休のまま過ごす」という選択が金銭的には有利になるケースが多いですが、体調や職場環境に応じて無理のない選択をすることが大切です。

出産手当金の支給額の目安

出産手当金の1日あたりの支給額は、健康保険の標準報酬日額(直近12か月の標準報酬月額の平均÷30)の3分の2です。

たとえば標準報酬月額の平均が30万円の場合:

30万円 ÷ 30日 × 2/3 ≒ 6,667円/日
産後56日間の合計 ≒ 6,667円 × 56日 ≒ 373,333円

育休中は標準報酬月額が変動していない場合が多いため、育休前の給与水準がそのまま計算の基礎になります。


第二子の育児休業給付金の金額と受給期間

給付率は67%・50%の2段階

育児休業給付金の支給額は、育休開始前(原則として育休取得前6か月)の賃金日額をもとに計算されます。給付率は次のとおりです。

育休開始からの期間 給付率 実質的な手取り水準
育休開始〜180日目(6か月) 賃金の67% 社会保険料免除を含めると実質約8割
181日目以降 賃金の50% 社会保険料免除を含めると実質約6割

2025年改正情報: 2025年4月以降、一定の要件(夫婦で育休を取得する場合など)を満たすと、育休開始後28日間は最大80%相当を受け取れる「育児休業給付金の引き上げ措置」が施行されています。要件や適用条件は勤務先や加入している雇用保険の状況によって異なるため、ハローワークや会社の人事担当窓口に確認してください。

賃金日額の計算方法

賃金日額は次の式で算出します。

賃金日額 = 育休開始前6か月の賃金総額 ÷ 180日

そこに給付率を掛けた額が「1日あたりの給付額」となり、支給単位期間(原則30日)ごとにまとめて支給されます。

計算例

  • 育休前6か月の賃金合計:180万円(月平均30万円)
  • 賃金日額:180万円 ÷ 180日 = 10,000円
  • 給付額(67%期間):10,000円 × 67% × 30日 = 201,000円/月
  • 給付額(50%期間):10,000円 × 50% × 30日 = 150,000円/月

受給期間の上限

第二子の育児休業給付金を受け取れる期間は、原則として子が1歳になるまでです。保育所に入所できない等の事情がある場合は、最長2歳まで延長できます(育休延長の申請が必要)。


第二子育休の手続きステップと必要書類

手続き全体のスケジュール感

第二子出産をめぐる手続きは、産前から産後にかけて複数のステップが重なります。以下のタイムラインを参考にしてください。

【第一子育休中に第二子を出産する場合の手続きタイムライン】

出産予定日42日前
  └─ (産前休業を取る場合)産前休業届を会社に提出
     └─ 第一子育休はこの日の前日で終了

出産日
  └─ 産後休業が自動的に開始(出産翌日〜56日間)
  └─ 第一子育休はこの日(または前日)で終了

出産後、速やかに
  └─ 第二子の育児休業取得を会社へ申し出(育休開始の1か月前が目安)

産後休業終了の翌日(産後57日目)
  └─ 第二子の育休スタート
  └─ 育児休業給付金の申請書類を会社→ハローワークへ提出

育休開始から2か月ごと(支給単位期間ごと)
  └─ 育児休業給付金支給申請(会社が代行)

第二子育児休業給付金の申請に必要な書類

申請書類は勤務先(事業主)がまとめてハローワークに提出するのが一般的です。労働者自身が用意・提出するものと、会社が作成するものを分けて確認しましょう。

労働者が用意・提出するもの(会社へ)

書類名 備考
育児休業申出書 第二子分として新たに作成
母子健康手帳(写し) 出産日・子の氏名等の確認用
雇用保険被保険者証 被保険者番号の確認
出生届受理証明書または住民票 子の出生確認に使用する場合あり

会社(事業主)がハローワークへ提出するもの

書類名 備考
育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 初回申請時
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 賃金日額算定の基礎
育児休業給付金支給申請書(2回目以降) 支給単位期間(2か月)ごと
出勤簿・賃金台帳 就業状況の確認

注意点: 第一子育休中は賃金が発生していないため、「育休取得前の賃金」を証明する際に第二子出産前(実際に働いていた時期)の賃金台帳が必要になります。会社の人事担当者と早めにすり合わせておきましょう。

申請期限と遅延した場合のリスク

育児休業給付金の申請期限は、支給対象期間(支給単位期間)の末日から2か月後の末日までと定められています(雇用保険法施行規則第101条の19)。

期限を過ぎると原則として支給されなくなるため、会社の人事担当者と申請スケジュールを共有して管理することが重要です。申請漏れが心配な場合は、産後休業が終わる前に人事担当者へ「第二子の育休給付金の申請準備を進めてほしい」と伝えておくと安心です。


被保険者期間の確認と受給資格の注意点

第二子分の育休給付金を受け取るための受給資格要件

育児休業給付金を受け取るためには、以下の雇用保険の受給資格要件を満たす必要があります(雇用保険法第61条の4)。

  1. 育休開始日の時点で雇用保険に加入していること
  2. 育休開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること

ここで問題になるのが「第一子の育休中は賃金が発生しない(または大幅に少ない)」という点です。この場合、育休期間は被保険者期間の算定から除外され、育休前に遡って12か月を確認する特例が適用されます。

被保険者期間の計算イメージ:

[第一子育休中(賃金なし)] → [育休前の就業期間(賃金あり)]
          ↑ 除外して遡及算定

多くの場合、第一子育休前に正規雇用等で働いていれば受給要件は満たされますが、第一子育休開始前の就業期間が短い場合や、パートタイムで週所定労働時間が短い場合は要件を満たさない可能性もあります。心配な方はハローワークや会社の社会保険労務士に確認することをお勧めします。

社会保険料免除の継続について

育休中は健康保険料・厚生年金保険料が労働者・事業主ともに免除されます。第二子の産後休業・育休中も同様に免除が適用されるため、手取り収入に対する実質的な負担はさらに軽減されます。

免除の手続きは事業主が年金事務所に届け出るため、労働者が個別に申請する必要はありません。ただし、免除期間中も年金の受給額には原則として影響しない(免除期間も被保険者期間に算入される)仕組みになっています。


企業(人事担当者)が注意すべきポイント

第一子育休終了の確認と速やかな記録更新

第二子の出産予定日が近づいたら、人事担当者は第一子育休の終了日の確認と社内記録・雇用保険の資格管理を速やかに行う必要があります。

具体的には以下を確認・対応してください。

  • 第一子育休の終了事由(新たな子の出生)を確認し、育休終了日を記録する
  • 第二子の育休申出書を受理し、育休開始日を設定する
  • 産後休業開始日・終了予定日を確認し、出産手当金の手続き(健康保険組合または協会けんぽへ)を行う
  • ハローワークへの育児休業給付受給資格確認票の提出期限(育休開始日から10日以内が目安)を管理する

複数子の育休が重複しないよう管理する

特に兄弟姉妹の育休が短期間で続く場合、「どの子の育休期間か」「給付金の申請対象はどの支給単位期間か」を混同しないよう、子ごとに育休期間と給付申請記録を分けて管理することが重要です。社内の育休管理台帳を子ごとに作成しておくと、後の確認作業がスムーズになります。


損しない申請をするための3つのチェックポイント

ここまでの内容を踏まえ、「給付金を一日も損しない」ために特に重要な3点をまとめます。

① 第一子の育休終了日を正確に把握する

産前休業を取得するかどうかによって、第一子育休の終了日が変わります。産前休業開始日の前日か、出産日(または前日)かを会社・ハローワークと事前に確認しておきましょう。

② 第二子の育休申出は「遅くとも出産日から30日以内」に行う

育休は「休業開始予定日の1か月前までに申し出る」が原則ですが、出産など突発的な事情がある場合は出産後速やかに申し出ることが認められています(育児・介護休業法第6条)。申し出が遅れると育休開始日にズレが生じ、給付金を受け取れない空白期間が発生するリスクがあります。

③ 給付金申請は会社任せにせず、スケジュールを自分でも管理する

申請の提出は会社(事業主)が行いますが、最終的な責任は労働者自身にもあるという意識を持つことが大切です。支給単位期間の終わり頃に「申請書類の準備はできていますか?」と人事担当者へ確認するだけで、申請漏れのリスクを大幅に減らすことができます。


育休中の給付金に関する手続きや疑問点については、最寄りのハローワーク(公共職業安定所)、または社会保険労務士への相談が最も確実な方法です。各自治体の子育て支援窓口でも情報提供を行っているケースがありますので、積極的に活用してください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 第二子が双子だった場合、育休や給付金の扱いは変わりますか?

双子(多胎)の場合も、1人の子として育休・給付金の申請を行います。育休期間や給付金の金額が2倍になるわけではなく、1回の育休取得として扱われます。ただし、産前休業の期間が42日(単胎)から98日(多胎)に延長されるため、出産手当金の受給期間が長くなります。

Q2. 育休中にパートタイムで少し働いた場合、給付金はもらえなくなりますか?

育休中に一定時間就業した場合でも、就業日数や就業時間が一定の基準(支給単位期間中に10日以下または80時間以下)を超えなければ、育児休業給付金を受け取ることができます。基準を超えると支給が停止または減額されることがあるため、事前にハローワークや会社に確認してください。

Q3. 第二子の育児休業給付金の申請は誰が行うのですか?

申請は原則として事業主(会社)がハローワークに対して行います。労働者が直接ハローワークに申請することは通常ありません。ただし、書類の準備(母子健康手帳の写し、育児休業申出書への署名等)は労働者が行い、会社に提出する必要があります。

Q4. 第一子の育休を延長していた場合でも、第二子出産で切り替えはできますか?

はい、可能です。保育所未入所等を理由に第一子育休を1歳6か月・2歳まで延長していた場合でも、その途中で第二子を出産した場合には、延長育休を終了したうえで第二子の育休・給付金に切り替えることができます。延長給付金も出産日(または前日)までは受け取れるため、延長中の方も同様の手続きを踏んでください。

Q5. 会社が育休の申し出を断ることはできますか?

育児・介護休業法により、一定の要件を満たす労働者(有期雇用労働者も含む)には育休取得の権利が保障されており、会社は原則として申し出を拒否できません。拒否や不利益取り扱いがあった場合は、都道府県労働局の雇用均等室(労働局)に相談することができます。

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