育休給付金の締日と支給月の計算方法【2026年最新版】

育休給付金の締日と支給月の計算方法【2026年最新版】 育休給付金

育休給付金の支給対象月は「給与締日」を基準に判定されます。締日が15日・20日・末日の場合の計算例、月途中開始時の扱い、よくある支給ミスの原因まで図解で徹底解説。担当者・本人どちらにも役立つ完全ガイドです。


育休給付金の「支給対象月」とは何か?締日が関係する理由

育休給付金を受け取る際、「なぜ給付が想定より遅かった」「月数が合わない」と感じたことはないでしょうか。その原因の多くは、支給対象月の判定が暦月(1日〜末日)ではなく、給与締日を基準に行われることへの誤解から生じています。

育休給付金の「支給対象月」とは、育児休業給付金が支給される単位となる1か月の期間を指します。この1か月は「1日から月末まで」という一般的なカレンダー上の月ではなく、あなたの会社の給与計算で使われる締日を起点として数えた1か月です。

たとえば給与締日が毎月15日の会社であれば、支給対象月の1か月は「16日から翌月15日まで」という区切りになります。育休を3月20日に開始した場合、第1支給対象月は「3月20日〜4月15日」となり、暦月の3月いっぱいとは一致しません。

この仕組みを理解しておかないと、申請書類の作成時に期間を誤ったり、給付金の振込タイミングが想定とずれたりするトラブルにつながります。給与担当者も育休を取得する本人も、まずこの「締日ベースの1か月」という概念を正確に把握することが、手続きをスムーズに進めるための第一歩です。

支給対象月の法的根拠(雇用保険法施行規則)

育休給付金の支給対象月に関するルールは、以下の法令に基づいています。

法律・規則 主な条文 内容
雇用保険法 第61条の4 育児休業給付金の支給要件・算定基礎
雇用保険法施行規則 第106条〜第118条 支給対象月の判定・申請手続きの詳細
育児・介護休業法 第2条、第5条他 育休取得の要件・期間

雇用保険法施行規則第106条では、支給対象月を「育児休業を開始した日から起算して1か月ごとに区分した各期間」と定義しています。ここでいう「1か月ごとに区分した期間」は、給与の締日と連動して判定されます。

具体的には、支給対象月の終了日は「育休開始日の応当日の前日」または「給与締日」のうち、先に到来する日が基準となります。ただしハローワークの実務では、事業主から提出される賃金台帳・出勤簿等をもとに「給与計算期間(締日ベース)」を確認し、それを支給対象月に当てはめる運用が一般的です。

この法的定義が「暦月ではない」点を明確にしているため、育休開始日や締日が異なれば、支給対象月の区切りも当然異なります。

「暦月ベース」と「締日ベース」の違いを図解

下記の比較図で、暦月ベースと締日ベースの違いをイメージしてください。

【例:育休開始日=3月20日、給与締日=毎月15日の場合】

■ 暦月ベース(一般的なカレンダーの区切り)
 3月          4月          5月          6月
 1日────31日│1日────30日│1日────31日│1日────30日
       ↑育休開始(20日)

■ 締日ベース(実際の支給対象月の区切り)
第1対象月          第2対象月          第3対象月
3/20────4/15  │  4/16────5/15  │  5/16────6/15
(27日間)         (30日間)          (31日間)

この図からわかるように、第1支給対象月は3月20日〜4月15日となり、暦月の3月(1日〜31日)や4月(1日〜30日)とは一致しません。第2対象月以降は満1か月ずつカウントされていきます。

暦月ベースで計算してしまうと、月数のカウントが1か月ずれたり、初回申請の締切を誤ったりする可能性があるため注意が必要です。


締日別・支給対象月の具体的な計算方法

実際に「自分の会社の締日では何月が第1対象月になるのか」を計算するために、代表的な3パターンを具体的な数字で確認しましょう。育休開始日は共通して4月10日で統一して比較します。

末締め(毎月末日締め)の計算例

末締めは最もシンプルなパターンです。育休開始日の翌月末日が第1支給対象月の終了日になります。

【育休開始日:4月10日 / 締日:毎月末日】

支給対象月 期間 日数
第1対象月 4月10日〜4月30日 21日間
第2対象月 5月1日〜5月31日 31日間
第3対象月 6月1日〜6月30日 30日間
第4対象月 7月1日〜7月31日 31日間

末締めの場合、第2対象月以降は「月の1日から末日まで」という暦月と完全に一致するため、管理が非常に簡単です。

注意点: 第1対象月は育休開始日から月末までの短い期間になります。この期間が「1か月」として1回分の申請対象となるため、給付額は満額より少なくなります(後述の計算式を参照)。

15日締めの計算例

15日締めは日本企業でも比較的多いパターンです。

【育休開始日:4月10日 / 締日:毎月15日】

支給対象月 期間 日数
第1対象月 4月10日〜4月15日 6日間
第2対象月 4月16日〜5月15日 30日間
第3対象月 5月16日〜6月15日 31日間
第4対象月 6月16日〜7月15日 30日間

15日締めで4月10日に育休を開始した場合、第1対象月はわずか6日間になります。これは「4月10日から次の締日(4月15日)まで」という短い期間であるためです。

この場合、第1対象月の給付金は極端に少額になりますが、これは制度上正常な計算結果です。誤りではありませんので安心してください。ただし、初回申請書類ではこの短い期間を正確に記載する必要があります。

20日締めの計算例

【育休開始日:4月10日 / 締日:毎月20日】

支給対象月 期間 日数
第1対象月 4月10日〜4月20日 11日間
第2対象月 4月21日〜5月20日 30日間
第3対象月 5月21日〜6月20日 31日間
第4対象月 6月21日〜7月20日 30日間

20日締めも、育休開始日(4月10日)から次の締日(4月20日)までが第1対象月になります。11日間という比較的短い期間が第1対象月となるため、やはり初回の給付額は満額を下回ります。

【3パターンの比較まとめ】

締日 第1対象月の日数(育休開始4月10日の場合) 第2対象月以降
末日締め 21日間(4/10〜4/30) 暦月と一致
15日締め 6日間(4/10〜4/15) 16日〜翌15日
20日締め 11日間(4/10〜4/20) 21日〜翌20日

このように、締日によって第1対象月の長さが大きく異なります。育休開始日が締日に近いほど第1対象月が短くなるという特徴を覚えておきましょう。


月途中から育休を開始した場合の特別な扱い

月途中から育休が始まるケースでは、第1支給対象月に特有のルールが適用されます。とくに初回申請で混乱が生じやすい部分ですので、丁寧に確認しましょう。

育休開始日が締日の翌日と一致する場合

たとえば締日が15日で、育休開始日が16日の場合、第1対象月はちょうど「16日〜翌月15日」の満1か月になります。この場合は最もシンプルで、初回から満額給付に近い形で計算されます。

一方、育休開始日が締日の直前(たとえば14日)の場合、第1対象月はわずか「14日〜15日」の2日間になります。このような極端に短い第1対象月は、「1か月に満たない期間」として日割り計算が適用されます。

1か月未満の期間の給付額計算

支給対象月が1か月に満たない場合(主に第1対象月)の給付額は、以下の式で計算されます。

【1か月未満の支給対象月の給付額計算式】

給付額 = 休業開始時賃金日額 × 支給対象月の日数 × 67%(または50%)

用語の解説:

  • 休業開始時賃金日額: 育休開始前6か月間の賃金合計 ÷ 180で算出
  • 支給対象月の日数: 第1対象月の実際の日数(締日ベースで計算)
  • 支給率: 育休開始から180日目まで67%、181日目以降50%

【計算例】
– 育休開始時賃金日額:8,000円
– 第1対象月の日数:6日間(15日締め、4月10日開始の場合)
– 給付額:8,000円 × 6日 × 67% = 32,160円

なお、賃金月額の上限・下限も設定されています(2026年度時点)。

項目 金額(目安)
賃金月額上限 487,200円(67%適用時の1か月上限給付額:326,424円)
賃金月額下限 59,730円(最低賃金に連動)

※上限・下限は毎年8月に改定されます。最新値は必ずハローワークまたは厚生労働省の公表資料で確認してください。

「180日カウント」と締日の関係

育休給付金の支給率は、育休開始から通算180日目を境に67%→50%に変わります。この180日のカウントも、締日ベースではなく育休開始日からの実日数(暦日)で計算されます。

ここは混同しやすいポイントです。支給対象月の区切りは締日ベースですが、67%→50%の切り替えは暦日ベースの180日目で行われます。そのため、ある支給対象月の途中で180日を超える場合、その月の給付額は日割りで67%分と50%分に分けて計算されます。


申請手続きと必要書類の完全リスト

支給対象月の判定ができたら、次は実際の申請手続きです。育休給付金の申請は、原則として事業主(会社)がハローワークに対して行います。本人が直接申請するケースは例外的です。

初回申請(受給資格確認と初回給付金請求)

初回申請は、育休開始日から4か月を経過する日の属する月の末日までに行う必要があります(雇用保険法施行規則第106条)。これを過ぎると申請が遅延扱いとなる場合があるため、育休開始後すみやかに準備を始めましょう。

【初回申請の必要書類一覧】

書類名 準備者 備考
育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 事業主(本人署名欄あり) ハローワーク所定用紙
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 事業主 育休開始前6か月分の賃金を記載
母子健康手帳(写し) 本人 子の氏名・出生日の確認
出勤簿・タイムカード(写し) 事業主 育休前2年間の勤務実績確認用
賃金台帳(写し) 事業主 同上
育児休業申出書(写し) 事業主 会社内の育休申請書類

申請先: 事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)

2回目以降の定期申請(2か月ごと)

初回申請後は、2か月に1回のペースで定期申請を行います。申請する期間は、支給対象月の2か月分をまとめて申請するのが基本です。

【2回目以降の必要書類】

書類名 準備者 備考
育児休業給付金支給申請書 事業主(本人署名欄あり) 2か月分の期間を記載
賃金台帳・出勤簿(写し) 事業主 申請対象期間分

申請期限: 各支給対象月(2か月分)の末日の翌日から起算して2か月以内

この期限を過ぎた場合でも、やむを得ない理由があれば2年以内であれば遡及申請が認められる場合があります。ただし、原則として期限内の申請を徹底しましょう。

ハローワークへの提出方法

申請は窓口持参・郵送・電子申請(e-Gov)の3つの方法で行えます。2024年以降、電子申請の活用が推奨されており、事業主向けの申請システムも整備が進んでいます。

【申請ルートの選択】

窓口持参
  → 確認・訂正がその場でできる。初回申請時はとくに推奨。

郵送
  → 担当者が遠方・多忙な場合に有効。
  → 配達記録郵便の利用推奨。

電子申請(e-Gov)
  → GビズID取得が必要。
  → 大企業・複数申請案件に向いている。

支給ミスが起きやすい3つのケースと対処法

育休給付金の計算ミスや申請漏れは、締日への理解不足から生じることがほとんどです。よくある3つのケースを確認しておきましょう。

締日と育休開始日を誤ってカウントするケース

最も多いミスは、「育休開始月の翌月から1か月ずつ数える」と思い込んでいるケースです。実際には育休開始日から締日までが第1対象月であるため、開始日によっては翌月が第2対象月になります。

対処法: 必ず「育休開始日→次の締日まで」を第1対象月として起算し直してください。会社の給与担当者と事前に確認を取り合うことが重要です。

産休終了日と育休開始日がずれているケース

出産後、産後休業(産後8週間)が終わった翌日から育休が始まります。この産後休業終了日と育休開始日の境界を誤って記載してしまうと、支給対象月の計算が全てずれます。

対処法: 産後休業の終了日=出産日から数えて56日目(双子以上は98日目)の翌日が育休開始日です。この日付を起点に締日ベースで改めて計算してください。

育休中に就労した日がある場合の扱い

育休中に短時間就労(いわゆる「育休中の就労」)を行った月は、就労日数や賃金額によっては給付金が減額・不支給になる場合があります

  • 就労日数が10日以下かつ就労時間が80時間以下であれば、原則として支給対象
  • 育休中の賃金が休業開始時賃金月額の80%以上に達した場合は不支給

対処法: 就労した場合は事業主に報告し、賃金台帳に正確に反映させてください。申請書にも就労日数・賃金額を正確に記載する必要があります。


給付金額の計算方法まとめ

育休給付金の給付額を正確に把握するために、基本的な計算手順を整理します。

基本計算式(満1か月の支給対象月の場合)

【給付金額の計算式(1か月分)】

ステップ①:休業開始時賃金日額の算出
  = 育休開始前6か月間の賃金合計 ÷ 180

ステップ②:賃金月額の算出
  = 休業開始時賃金日額 × 30

ステップ③:給付金額の算出(育休開始〜180日目まで)
  = 賃金月額 × 67%

  (181日目以降)
  = 賃金月額 × 50%

【計算例】

  • 育休前6か月間の賃金合計:1,620,000円
  • 休業開始時賃金日額:1,620,000 ÷ 180 = 9,000円
  • 賃金月額:9,000 × 30 = 270,000円
  • 月額給付金(180日目まで):270,000 × 67% = 180,900円
  • 月額給付金(181日目以降):270,000 × 50% = 135,000円

上限額・下限額(2026年度目安)

支給率 月額上限給付金 月額下限給付金
67%(180日目まで) 326,424円 約50,000円
50%(181日目以降) 243,600円 約37,500円

※上限・下限は毎年8月1日に改定されます。最新情報はハローワークの窓口または厚生労働省ウェブサイトで必ず確認してください。


人事担当者が押さえておくべき実務ポイント

企業の人事・給与担当者が育休給付金の申請サポートを行う際、とくに注意すべき実務上のポイントをまとめます。

締日確認は育休開始前に必ず実施
育休を取得予定の従業員から申請が上がった段階で、給与規程上の締日を確認し、支給対象月の一覧表を作成しておくと後の申請作業がスムーズになります。

申請期限の管理を社内カレンダーに登録
2か月ごとの定期申請は、申請期限の管理が煩雑になりがちです。育休開始日と締日をもとに各申請期限を計算し、社内カレンダーやリマインダーに登録しておきましょう。

賃金台帳・出勤簿の保管ルールを徹底
ハローワーク申請時に提出する賃金台帳・出勤簿は、育休前2年間分が必要です。書類の保管期間(雇用保険関係は原則3年)を守り、いつでも提出できる状態にしておきましょう。

育休中の就労状況は都度記録
育休中に就労が発生した場合は、その都度日数・時間・賃金額を記録しておきましょう。次回申請時に正確な情報を申請書に記載するための重要な根拠資料になります。

社会保険労務士との相談体制を構築
複雑な計算や法改正への対応については、社会保険労務士への相談を早めに検討することをお勧めします。特に複数名の同時申請や延長手続きがある場合は、専門家のサポートにより申請漏れを防げます。


よくある質問

Q1. 育休給付金の支給対象月の判定は、いつ・誰が確認するのですか?

支給対象月の判定は、事業主(会社)がハローワークに申請書を提出する際に、添付書類(賃金台帳・出勤簿等)をもとに確認されます。ハローワークの担当者が申請書の記載内容と添付書類を照合し、不備がなければ承認・給付の流れとなります。本人が独自に計算する必要はありませんが、期間の認識を事業主と共有しておくことで書類作成がスムーズになります。

Q2. 締日が変更になった場合、支給対象月の計算はどうなりますか?

育休取得中に会社の給与締日が変更されることはまれですが、万一変更があった場合はハローワークに届け出が必要になる場合があります。変更前・変更後それぞれの締日をもとに支給対象月を再計算し、申請書類にも変更を反映させる必要があります。不明な場合はハローワークに直接相談してください。

Q3. 初回申請の期限を過ぎてしまいました。どうすればよいですか?

育休開始日から4か月を経過する日の属する月末日を超えた場合でも、育休終了日(子が1歳になる前日等)から2年以内であれば申請自体は可能です。ただし、遅延の理由書が必要になる場合があります。まずは管轄のハローワークに電話で状況を説明し、指示を仰いでください。

Q4. 育休給付金は非課税ですか?確定申告は必要ですか?

育休給付金(育児休業給付金)は所得税・住民税の課税対象外です。そのため、育休中に給与収入がない場合は確定申告の必要はありません。ただし、育休中に副業や不動産収入など別の収入がある場合は別途確定申告が必要になる場合があります。

Q5. 育休を延長した場合(1歳6か月・2歳まで)、給付金は引き続きもらえますか?

保育所が見つからないなどの理由で育休を延長した場合、一定の要件を満たせば最長2歳まで育休給付金を受け取ることが可能です。延長時は延長の理由を証明する書類(保育所の不承諾通知等)をハローワークに提出する必要があります。延長後も支給対象月の判定は引き続き締日ベースで行われます。

Q6. 夫婦同時に育休を取得した場合、給付金はそれぞれ受け取れますか?

はい、夫婦それぞれが雇用保険の被保険者であれば、同時に育休を取得し、それぞれが育休給付金を受け取ることが可能です。2022年の育児・介護休業法改正で創設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度を利用する場合も同様に給付金の対象となります。それぞれの給与の締日が異なる場合は、各人の締日をもとに個別に支給対象月を計算します。


まとめ:締日の確認が育休給付金手続き成功のカギ

育休給付金の支給対象月は、暦月ではなく給与締日を基準とした1か月単位で判定されます。この点を正確に理解することが、給付金を確実に・正確に受け取るための最重要ポイントです。

記事の内容を振り返ると、以下の3点が特に重要です。

  1. 支給対象月=育休開始日から次の締日までが第1対象月。締日が違えば月数のカウントも変わる。
  2. 第1対象月が短い場合は日割り計算が適用される。少額でも申請は必須。
  3. 申請は2か月ごと・期限あり。事業主と連携して管理を徹底する。

締日の違いによって支給スケジュールや初回給付額が大きく変わります。育休取得前に自分の会社の締日を確認し、支給対象月の一覧を作成しておくことを強くお勧めします。不明点はハローワークや社会保険労務士に相談することで、申請ミスを未然に防げます。

本記事の情報は2026年6月時点の法令・制度に基づいています。給付金の上限額・支給率等は変更になる場合があります。最新情報は必ずハローワークまたは厚生労働省の公式サイトでご確認ください。

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