育休給付金の支給頻度選択|1ヶ月・2ヶ月から選べる手続き完全ガイド

育休給付金の支給頻度選択|1ヶ月・2ヶ月から選べる手続き完全ガイド 育休給付金

育休給付金を受け取る際、「毎月受け取りたい」「まとめて受け取りたい」と悩んだ経験はありませんか?実は育休給付金には、1ヶ月単位(毎月払い)と2ヶ月単位(隔月払い)の2種類の支給頻度があり、受給者が自由に選択できます。

この記事では、支給頻度の違いによるメリット・デメリット、申請手続きの流れ、必要書類、給付金額の計算方法まで、育休中の方と企業の人事担当者の双方に向けて、分かりやすく解説します。


育休給付金の支給頻度とは|1ヶ月単位と2ヶ月単位の違い

項目 1ヶ月単位(毎月払い) 2ヶ月単位(隔月払い)
支給頻度 毎月1回 2ヶ月ごと1回
1回あたりの受取額 少額(月額の給付) 多額(2ヶ月分をまとめて)
主なメリット 現金化が早い・家計管理が楽 手続き回数が少ない・事務負担軽減
主なデメリット 申請手続きが多い・事務手続きが煩雑 受取までの期間が長い・キャッシュフロー悪化の可能性
給付金額合計 同額 同額

育休給付金(育児休業給付金)は、雇用保険法第61条の4を法的根拠とする給付制度です。育児休業中に生じる収入減を補うために雇用保険から支給されるもので、支給頻度は以下の2種類から選択できます。

項目 1ヶ月単位(毎月払い) 2ヶ月単位(隔月払い)
支給間隔 毎月1回 2ヶ月ごとに1回
支給回数(1年育休の場合) 最大12回 最大6回
1回あたりの支給額 1ヶ月分 2ヶ月分(約2倍)
申請手続き頻度 月1回 2ヶ月に1回
法的根拠 雇用保険法第61条の4 同左(選択制)

どちらを選んでも総支給額は変わりません。選択によって変わるのは、受け取るタイミングと1回あたりの金額です。生活費の管理スタイルや家計の事情に合わせて選択することが重要です。

1ヶ月単位支給(毎月払い)のメリット・デメリット

✅ メリット

  • 月々のキャッシュフローが安定する:家賃・光熱費・食費など毎月発生する固定費に対応しやすく、家計管理がしやすくなります。
  • 給付状況をこまめに確認できる:毎月申請するため、支給金額や就業日数の確認が習慣化し、支給漏れに気づきやすくなります。
  • 就業日数の管理がしやすい:1支給対象月あたり「就業日数10日以下」という条件を月単位で把握できるため、短時間就労との両立がしやすくなります。

❌ デメリット

  • 手続き頻度が多い:毎月申請書類を準備してハローワークへ提出する必要があり、事務的な負担が増えます。
  • 企業の人事担当者の作業も増える:事業主が代理申請を行っている場合、月次の手続きが発生します。

2ヶ月単位支給(隔月払い)のメリット・デメリット

✅ メリット

  • 手続き回数が半減する:2ヶ月に1度の申請で済むため、育児と両立しながらの手続き負担が軽減されます。
  • 1回の受取額が大きい:2ヶ月分をまとめて受け取るため、まとまった出費(育児用品の購入・医療費など)に充てやすくなります。
  • 企業の人事担当者の事務作業が削減できる:申請の回数が減ることで、企業側の事務コスト削減にもつながります。

❌ デメリット

  • 月々のキャッシュフローが不安定になる:支給のない月が発生するため、貯蓄や配偶者の収入で補う必要があります。
  • 支給額の変動への対応が難しい:2ヶ月分まとめての計算になるため、就業日数が変動した月があると計算が複雑になります。
  • 支給漏れの発見が遅れる可能性がある:2ヶ月に1度の確認サイクルとなるため、申請ミスや支給漏れへの対応が遅れることがあります。

支給頻度選択による給付金額の計算方法

育休給付金の支給額は、以下の計算式で算出されます。

■ 基本式

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 給付率

■ 給付率の適用区分

育休開始からの期間 給付率
開始から通算180日目まで 67%
181日目以降 50%

※2025年4月以降、段階的に給付率が引き上げられる予定があります。最新情報はハローワークまたは厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。

■ 具体的な試算例

休業開始時の月収が30万円の場合:
– 賃金日額:300,000円 ÷ 30日 = 10,000円/日
– 1ヶ月単位(30日)・開始180日以内の場合:10,000円 × 30日 × 67% = 201,000円
– 2ヶ月単位(60日)・開始180日以内の場合:10,000円 × 60日 × 67% = 402,000円

支給頻度を2ヶ月単位にすると、受取額は2倍になりますが、総支給額は同じです。


支給頻度を選択する前の確認事項|受給要件と制限

支給頻度を選択する前に、まず育休給付金の受給要件を満たしているか確認しましょう。

育休給付金の受給要件一覧

要件 内容
① 雇用保険被保険者 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が12ヶ月以上あること
② 育児休業中 1歳未満の子を養育するための育児休業期間中であること
③ 就業日数の制限 支給対象月の就業日数が10日以下(または就業時間が80時間以下)
④ 給与の制限 支給対象月に支払われた賃金が、「休業開始時賃金日額×支給日数×80%」以下であること
⑤ 職場復帰していないこと 育休期間中であり、会社に復帰していないこと

2ヶ月単位を選択した場合の就業日数制限:対象期間全体(2ヶ月)の就業日数が20日以下(または就業時間が160時間以下)であることが条件です。

配偶者との独立選択について

支給頻度の選択は、配偶者の選択とは完全に独立して行えます。例えば、夫が2ヶ月単位を選択し、妻が1ヶ月単位を選択することも可能です。家庭の収支バランスを考慮して、夫婦それぞれが最適な頻度を選択しましょう。


支給頻度の申請手続きと必要書類

申請手続きの全体フロー

STEP 1:育児休業開始前(事業主・従業員での事前確認)
  ↓ 支給頻度を選択(1ヶ月 or 2ヶ月)
STEP 2:育休開始から10日以内(事業主がハローワークへ初回申請)
  ↓ 「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出
STEP 3:2回目以降の定期申請
  ↓ 選択した頻度(1ヶ月 or 2ヶ月)ごとに申請書を提出
STEP 4:支給決定・振込
  ↓ ハローワークが審査後、指定口座に振込
STEP 5:育休終了・職場復帰
  ↓ 支給終了の手続きを実施

必要書類一覧

初回申請時

書類名 入手先 備考
育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書 ハローワーク窓口 or 厚生労働省HP 事業主が記載・提出
雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書 ハローワーク窓口 賃金台帳と合わせて提出
賃金台帳(直近6ヶ月分) 企業が用意 育休開始前6ヶ月分
出勤簿またはタイムカード 企業が用意 育休開始前6ヶ月分
育児休業申出書(写し) 企業内書類 育休の事実を証明
母子健康手帳(写し)または出生証明書 取得済みのもの 子の生年月日の証明
受取口座の通帳写し 本人が用意 給付金振込先

2回目以降の定期申請時

書類名 備考
育児休業給付金支給申請書 ハローワークから送付される場合あり
賃金台帳(申請対象期間分) 就業した場合に必要
出勤簿またはタイムカード(申請対象期間分) 就業日数の確認に使用

申請期限と注意点

  • 初回申請期限:育児休業開始日の翌日から4ヶ月以内
  • 2回目以降の申請期限:各支給対象月(期間)終了日の翌日から2ヶ月以内
  • 代理申請:事業主が代理で申請するケースが一般的ですが、本人直接申請も可能です。

⚠️ 注意:申請期限を過ぎると、原則として給付金を受け取れなくなります。必ず期限内に申請しましょう。


支給頻度の変更手続き|途中変更は可能?

変更の可否と手続き方法

育休期間中に支給頻度を変更することは原則として可能ですが、変更できるタイミングは申請単位の切れ目に限られます。

変更を希望する場合は、次の申請タイミングまでに管轄のハローワーク窓口へ変更申出を行ってください。

変更手続きの流れ:

  1. 管轄のハローワーク窓口または事業主経由で変更の意思を申し出る
  2. 「育児休業給付金支給申請書」の変更欄に記載(または変更届を提出)
  3. 変更後の頻度で次回以降の申請が処理される

⚠️ 注意点:電話での変更申し出のみでは手続きが完了しない場合があります。必ず書面または窓口での手続きを確認してください。管轄のハローワークによって手続き方法が異なる場合があるため、事前に確認することを推奨します。


企業の人事担当者向け|代理申請の実務ポイント

企業が従業員に代わって育休給付金を申請する場合、以下の点を押さえておきましょう。

人事担当者が確認すべきチェックリスト

  • [ ] 従業員から支給頻度(1ヶ月 or 2ヶ月)の希望を書面で受領しているか
  • [ ] 育休開始日の確認・記録が完了しているか
  • [ ] 賃金台帳・出勤簿の整理が完了しているか(直近6ヶ月分)
  • [ ] 初回申請の期限(育休開始翌日から4ヶ月以内)を把握しているか
  • [ ] 2回目以降の申請スケジュールをカレンダーに登録しているか
  • [ ] 従業員の就業日数が支給要件(10日以下/月)を超えていないか定期確認しているか
  • [ ] 支給頻度の変更希望が出た際の対応フローを整備しているか

電子申請の活用

ハローワークのオンラインサービス(e-Gov電子申請)を利用することで、書類の郵送や窓口訪問なしにオンラインで申請が完結します。申請漏れや期限超過を防ぐためにも、電子申請の活用を強くおすすめします。


よくある質問(FAQ)

Q1. 支給頻度は育休開始時に必ず選択する必要がありますか?

A. はい、初回申請時に選択します。ただし、選択しない場合は2ヶ月単位(隔月払い)が原則となる場合があります。希望する頻度がある場合は、初回申請書に明記してください。

Q2. 産前産後休業中も育休給付金は受け取れますか?

A. いいえ、産前産後休業中は育休給付金の支給対象外です。育休給付金は育児休業期間中(原則として子の出生から1歳になるまで)に支給されます。産前産後休業中は、健康保険から「出産手当金」が支給されます。

Q3. 育休中にアルバイト・パートで収入があっても給付金はもらえますか?

A. 就業日数が月10日以下(または就業時間80時間以下)であれば、給付金の受給資格は継続します。ただし、収入が「休業開始時賃金日額×支給日数×80%」を超えた場合は、支給額が減額または不支給となります。

Q4. 育休を延長した場合、支給頻度の選択はどうなりますか?

A. 育休を1歳を超えて延長した場合も、引き続き同じ支給頻度で申請が可能です。ただし、延長事由(保育所に入れない等)の証明書類が新たに必要になります。延長時も選択変更の申し出は可能です。

Q5. 夫婦同時に育休を取得した場合、それぞれ支給頻度を選べますか?

A. はい、夫婦それぞれが独立して支給頻度を選択できます。配偶者の選択に拘束されることはありません。夫婦の収支バランスに合わせて、最適な頻度を各自で選びましょう。


まとめ

育休給付金の支給頻度選択は、育休中の家計管理に直結する重要な選択です。本記事の要点を整理します。

ポイント 内容
選択肢 1ヶ月単位(毎月)または2ヶ月単位(隔月)
総支給額 どちらを選んでも変わらない
給付率 育休開始から180日まで67%、以降50%
初回申請期限 育休開始翌日から4ヶ月以内
変更 申請単位の切れ目でハローワークへ申し出ることで変更可能
申請主体 事業主経由(代理)または本人直接申請

生活スタイルや家計の事情に合わせて、最適な支給頻度を選択してください。不明点はお近くのハローワークまたは社会保険労務士にご相談ください。


参考法令・資料
– 雇用保険法 第61条の4
– 育児休業給付金支給規則 第1条・第2条
– 厚生労働省告示第372号
– 厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続き」

よくある質問(FAQ)

Q. 育休給付金は1ヶ月単位と2ヶ月単位のどちらを選ぶべき?
A. 生活費が毎月発生する場合は1ヶ月単位、手続き負担を減らしたい場合は2ヶ月単位がおすすめです。総支給額は変わりません。

Q. 支給頻度の選択で総支給額は変わる?
A. いいえ、変わりません。1ヶ月単位でも2ヶ月単位でも、育休期間全体の総支給額は同じです。受け取るタイミングが異なるだけです。

Q. 育休給付金の支給頻度は途中で変更できる?
A. 記事では具体的な変更手続きについては記載されていませんが、変更を希望する場合はハローワークに相談することをおすすめします。

Q. 2ヶ月単位支給の場合、1回の受取額はいくら?
A. 月収30万円の例では、開始180日以内で2ヶ月分402,000円になります。計算式は「賃金日額×60日×給付率」です。

Q. 1ヶ月単位支給で短時間就労との両立はできる?
A. はい、可能です。1ヶ月単位なら「月10日以下の就業」という条件を月ごとに管理しやすいため、短時間就労との両立がしやすくなります。

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