児童手当と育休給付金は併給できる?受給条件と注意点【2025年最新】

児童手当と育休給付金は併給できる?受給条件と注意点【2025年最新】 育休給付金

産休・育休中に「児童手当と育休給付金、両方もらえるの?」と疑問を持つ方は多いはずです。結論から言えば、児童手当と育休給付金は同時に受給できます。ただし「なぜ併給できるのか」「手続きはどうすればいいのか」「返納が必要なケースはあるのか」を正確に理解しておくことが大切です。

本記事では、出産手当金・育休給付金・児童手当の3制度を比較しながら、受給タイムライン・申請手順・注意点をわかりやすく解説します。


児童手当と育休給付金は「同時受給できる」─その理由を図解

給付制度 支給元 受給期間 併給可否
出産手当金 健康保険 産前6週間~産後8週間 △ 児童手当のみ可
育休給付金 雇用保険 産後8週間~最長2歳 ◎ 児童手当と併給可
児童手当 市区町村 出生~中学卒業まで ◎ 他制度と併給可

児童手当と育休給付金が同時受給できる最大の理由は、制度の根拠法・給付元・管轄省庁がまったく異なるからです。2つの制度は法律上も行政上も独立した別制度であり、一方の受給が他方の受給資格に影響することはありません。

3つの給付制度の違い一覧表

以下の比較表を確認すると、3制度が完全に独立していることがよくわかります。

項目 出産手当金 育児休業給付金 児童手当
法的根拠 健康保険法第102条・第104条 雇用保険法第61条〜第67条 児童手当法
給付元 加入健保(協会けんぽ・組合健保等) ハローワーク(雇用保険) 市区町村(こども家庭庁統括)
管轄省庁 厚生労働省(健康保険局) 厚生労働省(雇用保険部門) こども家庭庁
対象期間 産前6週間〜産後8週間 産後8週間〜最長2歳到達まで 出生〜中学校修了まで
申請窓口 勤務先経由で健保組合等 勤務先経由でハローワーク 居住地の市区町村
給付財源 健康保険料 雇用保険料 公費(国・都道府県・市区町村)
所得制限 なし なし 2024年10月改正で撤廃

この表が示すとおり、育休給付金は雇用保険から、児童手当は市区町村(公費)から支給されます。財源も窓口も異なるため、法律上「二重受給の禁止」の対象になりません。

「併給」と「同時受給」の言葉の使い分けに注意

「併給」という言葉は、厳密には同一の保険制度内で2種類の給付が重なることを指す場合があり、「禁止される二重受給」と混同されがちです。本記事でいう「同時受給」は、別々の制度・財源から並行して給付を受けることであり、法律上まったく問題ありません。混乱を避けるために「同時受給」「並行受給」と表現するのが正確です。


出産手当金・育休給付金・児童手当の受給タイムライン

3制度がいつ重なり、いつ切り替わるのかを時系列で整理します。

産前6週間前
│
├─[出産手当金スタート]──────────────────────────────────┐
│  産前6週間 + 産後8週間(健康保険から給付)              │
│                                                         │
│          【出産】                                        │
│             │                                           │
│             ├─[児童手当スタート]──────────────────────────────
│             │  出生から中学校修了まで(市区町村から給付)
│             │  ※出生後15日以内に申請要
│             │
│         産後8週間経過
│             │
│             └─[育休給付金スタート]────────────────────────
│               産後8週間〜最長2歳到達まで(雇用保険から給付)
│               ※育休開始日から2カ月ごとに申請
│
└─────────────────────────────────────────────────────────
  産後8週間以降は「育休給付金+児童手当」の同時受給期間

産前産後休業中(産前6週間〜産後8週間)の受給関係

この期間に受け取れる給付は以下のとおりです。

  • 出産手当金:健康保険から1日あたり標準報酬日額の3分の2が給付
  • 児童手当:出生日の翌日から受給資格が発生(申請要)
  • 育休給付金:産後8週間は原則として育休取得期間に含まれないため、この期間の育休給付金は支給されません

ポイント:出産手当金と育休給付金は同じ期間に重複して受給することはできません。ただし両制度の対象期間は連続しており、実際には順番に受給する形になるため、実質的な損失はありません。

育休期間中(産後8週間〜最長2歳)の受給関係

産後8週間を経過した育休期間が、育休給付金と児童手当の同時受給が本格的にスタートする期間です。この時期から「育児休業給付金」「児童手当」「社会保険料免除」の3つの経済的支援が重なることになります。

給付 金額の目安 受給条件
育休給付金 育休開始後180日間:休業前賃金の67%
181日目以降:休業前賃金の50%
雇用保険被保険者で育休中に就業していないこと(一部就業は条件付き可)
児童手当 0〜2歳:月1万5,000円
3歳〜小学校修了:月1万円(第3子以降3万円)
中学生:月1万円
居住地市区町村への認定請求書の提出
社会保険料免除 育休期間中の健康保険料・厚生年金保険料が免除 育休取得の届出が会社を通じて行われていること

この3つが重なることで、育休中も一定の収入を確保できます。たとえば月給30万円の方が育休開始から6カ月以内の場合、育休給付金として約20万1,000円(30万円×67%)+社会保険料免除(数万円相当)+児童手当1万5,000円を受け取れることになります。


育休中に児童手当を受け取るための申請手順

育休給付金は会社経由でハローワークに申請しますが、児童手当は自分で市区町村に申請しなければなりません。申請しないと受給できないため、必ず手続きを行いましょう。

出生後15日以内に申請(認定請求書の提出)

児童手当の受給資格は出生日の翌日から発生しますが、申請(認定請求)をしなければ給付は始まりません。原則として出生後15日以内に市区町村へ申請することで、出生月分から受給できます(月の途中出生の場合は翌月分から)。

⚠️ 注意:15日を過ぎて申請した場合、申請月の翌月分からの支給となり、遡及受給ができません。入院中であっても代理申請が可能なため、パートナーや家族に依頼しましょう。

必要書類(認定請求時)

書類 備考
認定請求書 市区町村窓口またはマイナポータルで入手
請求者の健康保険証(写し) 厚生年金加入者であることの確認用
請求者の銀行口座情報 振込先の通帳またはキャッシュカード
子の出生届受理証明書または母子手帳 出生事実の確認用
マイナンバーカードまたは通知カード 本人確認・番号確認用

オンライン申請について

マイナポータルを利用することで、一部の市区町村ではオンライン申請も可能です。産院での手続きと並行して進めるとスムーズです。

毎年6月の「現況届」(一部市区町村で廃止)

以前は毎年6月に「現況届」の提出が義務付けられていましたが、2022年6月以降、多くの市区町村で現況届の提出が不要になりました(住民基本台帳で確認できるため)。ただし、以下のケースでは引き続き提出が必要です。

  • 配偶者からの暴力(DV)を理由に住所地以外の市区町村で受給している場合
  • 住民基本台帳で情報が確認できない場合
  • 市区町村から提出を求める通知が届いた場合

お住まいの市区町村の案内を必ず確認してください。


育休給付金の返納が必要になるケース

育休給付金は原則として返納不要ですが、以下のケースでは過払い分の返納を求められる場合があります。

育休中に一定以上就業した場合

育休中に就業した場合、1支給単位期間(2カ月)の就業日数が10日以下かつ就業時間が80時間以下であれば給付は継続されます。これを超えて働いた場合、その支給単位期間の育休給付金は支給されません。誤って申請・受給した場合は返納義務が生じます。

育休終了前に退職した場合

育休期間中に会社を退職すると、育休給付金の受給資格が消滅します。退職日以降に受け取った給付金は不正受給となり、返納請求の対象になります。

申告内容に誤りがあった場合

賃金額の誤申告など、申請内容に誤りがあり結果として過大に受給していた場合は、差額分の返納が必要です。ハローワークから通知が届いた場合は速やかに対応してください。

児童手当の返納が必要になるケース

児童手当についても、以下の場合は返納(返還請求)の対象となります。

  • 転居・転出時に届出を怠った:引っ越し後、新住所の市区町村に届出をしないまま旧住所自治体から受給を続けた場合
  • 離婚等で受給者変更が必要になったのに届出しなかった場合
  • 子が死亡・施設入所等した際の届出漏れ

異動が生じた場合は14日以内に届出することが法律(児童手当法第23条)で義務付けられています。


よくある疑問Q&A

Q1. 育休給付金と児童手当は確定申告が必要ですか?

育休給付金(育児休業給付金)は非課税のため、確定申告は不要です。児童手当も同様に非課税です。ただし、育休中に副業収入があった場合は確定申告が必要になることがあります。

Q2. 夫婦ともに育休を取得した場合、児童手当はどちらが受け取りますか?

児童手当は原則として生計を維持する程度の高い方(所得の高い方)が受給者となります。ただし2024年10月の改正により所得制限が撤廃されたため、どちらが申請しても受給額は変わりません。受給者変更の手続きは市区町村窓口で行えます。

Q3. 育休を2歳まで延長した場合、育休給付金と児童手当は引き続き受給できますか?

育休を保育所への入所待ちなどの理由で1歳6カ月・2歳まで延長した場合、延長期間中も育休給付金は継続されます(延長申請が必要)。児童手当は育休の有無にかかわらず子の年齢に応じて支給されます。

Q4. 自営業・フリーランスでも児童手当と育休給付金は受け取れますか?

自営業・フリーランスの方は雇用保険に加入していないため、育休給付金の受給はできません。ただし児童手当は受給可能です。また、国民健康保険加入者は出産手当金も受給対象外となります。

Q5. 産休・育休中に引っ越しした場合、児童手当の手続きはどうすればいいですか?

転居した場合、旧住所の市区町村に受給事由消滅届を提出し、新住所の市区町村に認定請求書を提出します。引っ越し後14日以内の手続きが必要です。手続きが遅れると受給が途切れる可能性があるため注意してください。


まとめ:制度を正しく理解して給付を最大化しよう

本記事のポイントを整理します。

確認事項 結論
児童手当と育休給付金の同時受給 可能(別制度・別財源のため)
出産手当金と育休給付金の同時受給 不可(対象期間が重複しない仕組み)
児童手当の申請期限 ⚠️ 出生後15日以内(遡及不可)
育休給付金の返納が必要になるケース 育休中の過剰就業・退職・誤申告
2025年現在の所得制限 撤廃済み(2024年10月改正)

産休・育休中は複数の給付制度を並行して活用できます。申請漏れや期限遅れがないよう、出産前から各制度の手続きスケジュールを把握しておくことが重要です。

制度内容は定期的に変更されるため、申請時には必ず以下の公式窓口で最新情報を確認してください。

  • ハローワーク:育休給付金に関する最新情報
  • こども家庭庁・市区町村:児童手当に関する最新情報
  • 加入健保・協会けんぽ:出産手当金に関する最新情報

不明点があれば、会社の人事担当者や各機関の相談窓口に早めに相談することをお勧めします。

本記事の内容は2025年時点の制度に基づいています。法令改正により内容が変わる場合があります。最新情報は厚生労働省・こども家庭庁の公式サイト、またはお住まいの市区町村でご確認ください。

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