給付金支給率「80%」段階的引き上げスケジュール【2025年改正完全ガイド】

給付金支給率「80%」段階的引き上げスケジュール【2025年改正完全ガイド】 育休法改正

育休中の収入が増える?2025年4月から育児休業給付金の支給率が段階的に引き上げられます。最終的には全区分で80%統一を目指す大きな制度改正です。「いつから何%になるのか」「自分は対象になるのか」「実際にいくらもらえるのか」——この記事では、段階的引き上げスケジュールの全体像から申請手続き・計算シミュレーションまで、徹底的に解説します。


目次

  1. 2025年改正!育休給付金の支給率段階的引き上げ概要
  2. 2025年4月から引き上げ開始!給付率スケジュール詳細
  3. 給付金支給率80%の対象者条件を完全解説
  4. 給付金の計算方法と支給額シミュレーション
  5. 申請手続きと必要書類まとめ
  6. よくある質問(FAQ)

2025年改正!育休給付金の支給率段階的引き上げ概要

改正の目的と背景

日本の少子化は深刻さを増しており、2023年の合計特殊出生率は過去最低水準を更新しました。政府はこの状況を受け、育児参加を促進するための経済的支援の強化を柱とする制度改革を断行しています。

特に課題として浮き彫りになっているのが男性育休の低取得率です。女性の育休取得率が80%超であるのに対し、男性は依然として30%台にとどまっています(令和5年度雇用均等基本調査)。育休を取得しない最大の理由のひとつが「収入が減る」という経済的不安であることから、給付率を引き上げることで取得のハードルを下げる狙いがあります。

また、育休取得中の家庭が「手取りベースで休業前の実収入と同水準になる」ことを目指すという政府方針のもと、最終目標として給付率80%が設定されました。手取り換算では、社会保険料・所得税の免除効果も加わり、実質的に休業前収入の約90〜100%に近づくと試算されています。

法的根拠となる法律

今回の段階的引き上げは、以下の法律を根拠としています。

法律・規則名 主な内容
雇用保険法 第60条の2 育児休業給付金の支給要件・給付率の規定
育児・介護休業法 第61条〜第69条 育児休業の取得要件・期間の規定
令和5年改正(次世代育成支援対策推進法等の改正) 2025年4月施行。給付率段階的引き上げの法的根拠
雇用保険施行規則 第101条〜第105条 申請手続き・支給単位期間等の詳細規定

令和3年改正(2022年施行)で産後パパ育休(出生時育児休業)が創設され、男性育休の分割取得が可能になったことに続き、令和5年改正では給付の経済的魅力を高める方向でさらなる整備が行われました。

段階的引き上げの全体スケジュール図

【段階的引き上げロードマップ】

~2024年12月(現行)
  基本給付金          : 67.8%
  パターンA・複数月育休 : 80%
  育休パパ・ママプラス  : 80%

2025年4月〜2026年3月(第1段階)← ★改正スタート
  基本給付金          : 70%  ↑2.2%アップ
  パターンA・複数月育休 : 80%(継続)
  育休パパ・ママプラス  : 80%(継続)

2026年4月〜2027年3月(第2段階)← 予定
  基本給付金          : 75%  ↑5%アップ
  パターンA・複数月育休 : 80%(継続)
  育休パパ・ママプラス  : 80%(継続)

2027年4月〜(第3段階・最終目標)← 予定
  基本給付金          : 80%  ↑5%アップ
  全区分              : 80% に完全統一

⚠️ 注意: 2026年4月以降のスケジュールは現時点での政府方針に基づく「予定」であり、法改正・省令改正の内容によって変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省・ハローワークの公式発表でご確認ください。


2025年4月から引き上げ開始!給付率スケジュール詳細

2025年4月〜2026年3月の給付率変更

2025年4月1日以降に育児休業を開始した方から、基本給付金の支給率が67.8%→70%へ引き上げられます。

🗓️ 適用の基準日: 育児休業の「開始日」が2025年4月1日以降であること。2025年3月31日以前に開始した育休には旧レートが適用されます。

引き上げによる影響例(月収30万円の場合)

制度 支給率 月額給付金 変化
改正前(〜2024年12月) 67.8% 約203,400円
改正後(2025年4月〜) 70% 約210,000円 +約6,600円

※支給上限額(賃金日額の上限:15,690円/日)が適用されるケースがあります。

2026年4月以降の段階的引き上げ予定

2026年4月(第2段階):70%→75%

基本給付金がさらに5%引き上げられる予定です。月収30万円の場合、給付額は約225,000円に増加します。

2027年4月(第3段階・最終):75%→80%

すべての区分が80%で統一される最終段階です。月収30万円の場合、給付額は約240,000円となります。手取りベースでは、育休中の社会保険料免除・所得税免除の効果と合わせると、実質的な手取り相当額が休業前の約90〜100%水準に達するとされています。

区分別スケジュール比較表

時期 基本給付金 パターンA・複数月育休 育休パパ・ママプラス 法的根拠
〜2024年12月 67.8% 80% 80% 現行雇用保険法
2025年4月〜2026年3月 70% 80% 80% 令和5年改正
2026年4月〜2027年3月 75% ↑(予定) 80% 80% 省令改正予定
2027年4月〜 80% ↑(予定) 80% 80% 全区分統一

給付金支給率80%の対象者条件を完全解説

基本要件(全対象者共通)

支給率の区分に関わらず、育児休業給付金を受給するためには以下の要件をすべて満たす必要があります。

✅ チェックリスト:育児休業給付金の基本要件

No. 要件 詳細
雇用保険の被保険者であること 一般被保険者・高年齢被保険者が対象。日雇い労働者は対象外
育休開始前の就業実績 育休開始前2年間に、11日以上就業した月が12ヶ月以上あること
養育する子の年齢 1歳未満の子(特例で1歳6ヶ月・2歳まで延長可)を養育していること
育休中の給与が一定以下 育休中の賃金が休業開始時賃金日額×支給日数の80%未満であること
育休期間中の就業日数制限 支給単位期間(1ヶ月)ごとに就業日数が10日以下(または就業時間80時間以下)であること

📌 重要:所得要件なし
育児休業給付金には収入上限(所得要件)は設けられていません。月収が高い方も要件を満たせば受給できます(ただし支給上限額は設定されています)。

80%支給対象の特別要件

現時点で80%の支給率を受けるには、以下のいずれかの区分に該当する必要があります。

【特別要件①】パターンA(配偶者交代育休)

夫婦が協力して育休を取得し、一方の育休中にもう一方が育休を取得する「交代育休」パターンです。

  • 配偶者が育休取得中または育休終了後に、もう一方が育休を開始する
  • 両者の育休が重複している期間がある場合が多い
  • 取得月数・期間についての要件を満たすこと(詳細はハローワークにて確認)

【特別要件②】複数月育休(育休の連続取得)

まとまった期間の育休を取得することで、80%の給付率が適用されます。

【特別要件③】育休パパ・ママプラス

産後パパ育休(出生時育児休業)を活用したパターンです。配偶者が育休中に育休を取得する「パパ・ママ育休プラス」も従来から80%が適用されています。

パターン別の対象者まとめ

パターン 対象者 支給率(2025年4月以降) 特徴
基本パターン 単独で育休取得(夫婦どちらか) 70%(→段階的に80%へ) 最も一般的なケース
パターンA(配偶者交代育休) 配偶者が育休中に自分も育休取得 80% 男性育休促進の核心施策
育休パパ・ママプラス パパ育休後にママ育休と重複取得 80% 産後の早期育休取得を促進
複数月育休 所定の月数以上の育休を連続取得 80% まとまった育休取得の促進

給付金の計算方法と支給額シミュレーション

基本的な計算式

育児休業給付金の計算は以下のステップで行います。

STEP1: 賃金日額を算出
賃金日額 = 育休前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180日

STEP2: 支給額を算出(1支給単位期間あたり)
支給額 = 賃金日額 × 支給日数 × 給付率

※賃金日額の上限:15,690円(2024年度)
※賃金日額の下限:2,746円(2024年度)

計算シミュレーション(月収別・支給率別)

【前提条件】
– 育休開始前6ヶ月の月額賃金が一定(均等)
– 1支給単位期間 = 30日
– 就業日数は0日と仮定

▼ 月収別・支給率別の給付金早見表

月収 67.8%(改正前) 70%(2025年4月〜) 75%(2026年予定) 80%(2027年予定・パターンA)
20万円 約135,600円 約140,000円 約150,000円 約160,000円
25万円 約169,500円 約175,000円 約187,500円 約200,000円
30万円 約203,400円 約210,000円 約225,000円 約240,000円
40万円 約271,200円 約280,000円 約300,000円 約320,000円
50万円以上 ※上限額適用 ※上限額適用 ※上限額適用 ※上限額適用

⚠️ 上記は概算値です。賃金日額の上限(15,690円)・下限が適用される場合や、支給単位期間が30日未満の場合は金額が異なります。正確な支給額はハローワークにお問い合わせください。

手取りベースでの実収入換算(参考)

育休中は以下の免除が適用されるため、手取り換算での実質的な収入比率は支給率よりも高くなります。

  • 健康保険料・厚生年金保険料:免除(育休期間中)
  • 住民税:前年分の課税が継続(免除なし)
  • 所得税:育休給付金は非課税(課税なし)

一般的に、給付率70〜80%の場合、手取りベースでは休業前の約80〜100%相当になると試算されています。


申請手続きと必要書類まとめ

申請の流れ(労働者側の手続き)

STEP1 【育休開始の1ヶ月前まで】
   └─ 会社(事業主)へ育児休業申出書を提出

STEP2 【育休開始後、速やかに】
   └─ 会社へ必要書類を提出(会社経由でハローワークへ申請)

STEP3 【支給単位期間ごと(1〜2ヶ月に1回)】
   └─ 会社経由でハローワークへ支給申請
   └─ 審査後、指定口座へ給付金が振り込まれる

STEP4 【育休終了後】
   └─ 職場復帰を会社へ報告

必要書類一覧

◆ 初回申請時

書類名 入手先 注意事項
育児休業給付金支給申請書 ハローワーク・厚生労働省HPよりDL 会社が代理申請するケースが多い
育児休業給付受給資格確認票 ハローワーク 初回のみ必要
母子健康手帳(写し) 自治体(出産前に交付) 子の生年月日・氏名の確認用
賃金台帳(写し) 会社 育休前6ヶ月分
出勤簿またはタイムカード(写し) 会社 就業日数の確認用
被保険者証(雇用保険) 会社が保管 被保険者番号の確認用
振込先口座の確認書類 本人 通帳の写しまたはキャッシュカードの写し

◆ 2回目以降の申請時

書類名 備考
育児休業給付金支給申請書 支給単位期間ごとに提出
賃金台帳(写し) 当該支給単位期間分
出勤簿(写し) 当該支給単位期間分

申請期限と支給タイミング

項目 内容
初回申請期限 育休開始日から 4ヶ月以内
2回目以降の申請期限 支給単位期間終了の翌日から 2ヶ月以内
支給タイミング ハローワークでの審査後、約2〜3週間で振込
申請窓口 事業所を管轄するハローワーク(原則、会社が代理申請)

💡 ポイント: ほとんどの場合、育児休業給付金の申請は会社(事業主)が代理で行います。労働者が直接ハローワークへ行く必要は原則ありません。申請の進捗を会社の人事・総務担当者に確認しながら進めましょう。

2025年4月以降の申請で注意すること

  • 適用レートの確認: 育休の開始日が2025年4月1日以降であれば70%が適用されます。申請書類に記載の開始日を必ず確認しましょう。
  • パターンA・複数月育休の申請: 80%の給付率を受けるためには、配偶者の育休取得証明書類など追加書類が必要になる場合があります。事前にハローワークへ確認することを強くお勧めします。
  • 育休の分割取得: 2022年改正で2回までの分割取得が可能になりました。分割取得の場合、それぞれの育休開始日が適用レートの判定基準となります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 2025年3月31日から育休を開始した場合、4月から70%になりますか?

A. なりません。給付率は育休の開始日を基準に判定されます。2025年3月31日開始の場合は旧レート(67.8%)が適用され、その後も給付率の変更はありません。70%を適用したい場合は、育休開始日を2025年4月1日以降にする必要があります。


Q2. パート・契約社員でも対象になりますか?

A. はい、対象になります。雇用形態は関係ありません。雇用保険の被保険者であり、「育休前2年間に11日以上就業した月が12ヶ月以上」という要件を満たしていれば受給できます。ただし、雇用保険に未加入のパートタイム労働者は対象外となります。


Q3. 育休中に副業(アルバイト)をすると給付金はどうなりますか?

A. 育休中の就業日数が1支給単位期間(1ヶ月)中に10日を超える(または就業時間が80時間を超える)場合、その期間の給付金は支給されません。また、育休中に得た賃金が一定額を超えた場合には給付金が減額・不支給になります。副業を検討する場合は事前にハローワークへ相談してください。


Q4. 配偶者が専業主婦(夫)の場合、パターンA(80%)は適用されますか?

A. いいえ、適用されません。パターンA(配偶者交代育休)は、配偶者も雇用保険の被保険者であり、育休を取得していることが条件です。配偶者が専業主婦(夫)または雇用保険未加入の場合は、基本給付金(2025年4月以降70%)が適用されます。


Q5. 育休を延長した場合(1歳6ヶ月・2歳まで)も給付金はもらえますか?

A. はい、もらえます。保育所に入所できないなどの理由で育休を延長する場合、1歳6ヶ月まで・さらに2歳までの延長が認められており、延長期間中も育児休業給付金が支給されます。ただし、延長申請には「保育所の入所不承諾通知書」などの証明書類が必要です。


Q6. 男性(パパ)が育休を取った場合も同じスケジュールで給付率が上がりますか?

A. はい、同様に適用されます。育児休業給付金の支給率引き上げは性別を問わずすべての労働者が対象です。むしろ今回の改正は男性育休の促進を主な目的としており、パターンA(配偶者交代育休)で積極的に育休を取得する男性が80%の給付率を受けやすくなっています。


まとめ

2025年4月からスタートする育児休業給付金の段階的引き上げは、日本の育休制度における大きな転換点です。

📋 重要ポイントの総まとめ

項目 内容
2025年4月から 基本給付金 67.8% → 70% に引き上げ
2026年4月(予定) 基本給付金 70% → 75%
2027年4月(予定) 基本給付金 75% → 80%(全区分統一)
80%の即時対象者 パターンA(配偶者交代育休)・育休パパ・ママプラス
適用基準日 育児休業の開始日
申請窓口 事業所を管轄するハローワーク(会社経由が原則)

育休取得を検討している方は、ご自身の育休開始日がいつになるかを踏まえて、適用される給付率を確認しておきましょう。また、80%の給付率を受けるためのパターンA・複数月育休などの条件については、会社の人事担当者やハローワークに事前に相談することを強くお勧めします。

📞 相談窓口:
ハローワーク(公共職業安定所): 全国の事業所管轄ハローワーク
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室): 育児・介護休業法に関する相談
厚生労働省 育児休業給付金ページ: https://www.mhlw.go.jp/(最新情報を随時確認)


本記事は2025年4月施行の改正内容をもとに作成しています。2026年4月以降のスケジュールは政府方針に基づく予定であり、今後の法改正・省令改正により変更となる場合があります。最新情報は厚生労働省・ハローワークの公式情報をご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 2025年4月から育休給付金はいくら増えますか?
A. 基本給付金が67.8%から70%に引き上げられます。月収30万円の場合、約6,600円の増額となります。

Q. 2025年3月に育休を開始した場合、給付率は引き上げられますか?
A. いいえ。引き上げは育児休業の開始日が2025年4月1日以降が対象です。3月31日以前の開始は現行の67.8%が適用されます。

Q. 男性育休でも80%の給付金をもらえますか?
A. はい。産後パパ育休の利用や複数月育休で80%対象になる場合があります。詳細は要件確認が必要です。

Q. 最終的には全員80%の給付率になるのですか?
A. はい。政府の目標は2027年4月以降、全区分で80%に統一することです。ただし法改正により変更される可能性があります。

Q. 育休給付金の申請はいつまでに行う必要がありますか?
A. 記事に詳細な手続き情報が記載されていますが、一般的には育休開始から速やかにハローワークに申請することが推奨されています。

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