児童手当と育休給付金の所得制限・手続き【同時受給と申請書類】

児童手当と育休給付金の所得制限・手続き【同時受給と申請書類】 育児休業制度

育休を取得したとき「児童手当はもらえるの?」「所得制限はどうなる?」と疑問に感じる方は少なくありません。結論から述べると、育休中も児童手当は原則として受給できます。ただし、両制度は異なる法律で運用されており、手続きや所得判定の仕組みも独立しています。

本記事では、制度の法的根拠から所得制限の仕組み、申請書類・手続き期限まで、育休と児童手当に関わるすべての疑問を徹底解説します。


育休と児童手当は「独立した2つの制度」

育休と児童手当を混同している方は多いですが、2つの制度はまったく別の法律に基づいています。それぞれの根拠と役割を正確に理解することが、スムーズな手続きの第一歩です。

育児休業制度とは(育児・介護休業法が根拠)

育児休業制度は、育児・介護休業法第5条・第6条を根拠とする「労働者の権利」です。子どもが原則1歳になるまでの間、会社に対して休業を申し出ることができます(最長2年まで延長可)。

育休中の収入補填として支給されるのが育児休業給付金(育休給付金)で、こちらは雇用保険法第61条の4に基づき、ハローワーク(公共職業安定所)を通じて支給されます。

項目 内容
根拠法令 育児・介護休業法 / 雇用保険法
主管機関 厚生労働省・ハローワーク
給付内容 育児休業給付金(賃金の最大80%相当)
所得制限 なし

児童手当制度とは(児童手当法が根拠)

児童手当は、児童手当法第2条・第3条を根拠とする「子育て支援給付」です。0歳から中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを養育する保護者に対して、市区町村から毎月支給されます。

項目 内容
根拠法令 児童手当法
主管機関 市区町村(窓口申請)
給付内容 月額5,000円〜30,000円
所得制限 2024年10月廃止

なぜ同時受給が可能なのか

育休給付金は「雇用保険制度」、児童手当は「児童福祉制度」というまったく異なる行政体系で運用されています。一方の受給状況が他方の支給判定に影響することはなく、両方の要件を満たせば同時受給が可能です。

2024年10月の制度改正により児童手当の所得制限が廃止されたため、育休前後の年収に関わらず全員が同じ金額を受給できるようになりました。


児童手当の対象者と給付内容

児童手当の基本要件(年齢・対象者・住所)

児童手当を受給するには、以下の3つの基本要件をすべて満たす必要があります。

  1. 対象児童の年齢:0歳〜中学校卒業まで(15歳到達後の最初の3月31日まで)
  2. 養育者の住所:日本国内に住所があること
  3. 申請主体:子どもと同居している保護者(父または母)が申請する

育休中であっても、これらの要件を満たせば申請可能です。

2024年10月改正後の給付額

2024年10月の制度改正により、手当額が拡充され、所得制限が廃止されました。全国民が所得に関わらず以下の金額を受給できます。

子どもの年齢 月額(1人あたり)
3歳未満 15,000円
3歳〜小学校修了 10,000円
中学生 10,000円
第3子以降 30,000円

所得制限廃止までの変更点

2024年9月までは児童手当に所得制限がありました。所得制限を超過した場合は月額5,000円の「特例給付」に変更される仕組みでしたが、制度改正により廃止されています。


育休中の児童手当申請手続き(書類・期限・流れ)

児童手当の申請に必要な書類一覧

申請に必要な書類は、自治体によって若干異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

書類名 備考
認定請求書 市区町村の窓口またはウェブサイトから入手
申請者の本人確認書類 マイナンバーカード、運転免許証など
申請者のマイナンバー確認書類 マイナンバーカードで兼用可
健康保険証(被用者保険加入者の場合) 育休中も保険証は有効
通帳またはキャッシュカード 振込口座の確認用
戸籍謄本または住民票 子どもとの関係を確認するため(同一世帯の場合は不要なケースあり)

育休中の注意点:育休中は会社から健康保険証の返却を求められることがありますが、育休中も雇用は継続しているため保険証は有効です。申請時に健康保険証が必要になるため、事前に確保しておきましょう。

申請先と申請期限(出生15日以内推奨)

申請先:お住まいの市区町村の児童手当担当窓口(住民課・子育て支援課など)またはオンライン申請(マイナポータル経由)

申請期限のポイント

児童手当は申請した月の翌月分から支給開始となるため、出生から15日以内に申請することが強く推奨されます。出生月から遡って受給が可能になるためです。

出生日(または転入日)
    ↓
【15日以内】 ← 強く推奨!
    ↓
出生月から遡って受給開始

15日を超えると...
    ↓
申請月の翌月からの支給開始
(出生月・翌月分を受け取れないリスクあり)

出産後は何かと忙しい時期ですが、できるだけ早めに手続きを行いましょう。

育休取得と同時に申請する際の注意点

育休取得のタイミングと児童手当の申請は、まったく別の窓口に別々に申請が必要です。混同しないようにご注意ください。

手続き 申請先 タイミング
育休の申し出 勤務先(会社) 育休開始の1ヶ月前まで
育休給付金の申請 ハローワーク(会社経由) 育休開始後、会社が手続き
児童手当の申請 市区町村 出生から15日以内

育休給付金と児童手当の給付額を比較する

2つの給付内容の違いを整理しておきましょう。

育休給付金の給付額と計算方法

育休給付金の給付額は、育休前の賃金(休業開始時賃金日額)をもとに計算されます。

育休期間 給付率 手取り換算の目安
育休開始〜180日目 賃金の67% 実質約80%相当※
181日目〜育休終了 賃金の50% 実質約60%相当※

※育休中は社会保険料が免除されるため、手取りベースでは上記より高くなります。

計算例:月収30万円の方が育休を取得した場合
– 育休開始〜180日:30万円 × 67% = 約20.1万円/月
– 181日〜育休終了:30万円 × 50% = 約15万円/月

育休給付金と児童手当の併用効果

育休給付金は雇用保険から支給され、児童手当は児童福祉制度から支給されるため、両方の給付が重複することはありません。両者は補完関係にあり、育休中の家計を支える重要な給付です。

育休給付金が月15万〜20万円程度であっても、児童手当が月10,000円〜15,000円上乗せされることで、家計への影響を緩和できます。


育休中の所得判定と税務上の取り扱い

現在の所得判定(改正後)

2024年10月に所得制限が廃止されたため、現在は所得判定そのものが不要になっています。過去の改正前スケジュールは以下のとおりです。

【参考:改正前の判定スケジュール】

前年(育休前)の所得 → 当年6月分〜翌年5月分の手当額を決定
当年(育休中)の所得 → 翌年6月分〜の手当額を決定

育休給付金と児童手当の税務上の取り扱い

育休給付金は「非課税所得」のため、仮に所得制限があった場合でも判定に含まれません。同様に児童手当も非課税給付であり、所得判定の対象外です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 育休中に引っ越した場合、児童手当の手続きはどうなりますか?

A. 転出先の市区町村で新たに認定請求書を提出する必要があります。転入日から15日以内に新住所の市区町村窓口へ申請してください。転出前の市区町村への「受給事由消滅届」も忘れずに提出しましょう。


Q2. 育休給付金と児童手当の違いは何ですか?

A. 育休給付金は雇用保険制度から支給される「育休中の収入補填」であり、児童手当は児童福祉制度から支給される「子育て支援給付」です。別々の制度のため、両方同時に受給できます。


Q3. パパ(男性)が育休を取得した場合も児童手当を申請できますか?

A. はい、申請できます。児童手当は性別に関係なく養育者が申請できます。ただし、両親がともに働いている場合は原則として所得の高い方(主たる生計維持者)が申請者となります。どちらが申請するか迷う場合は、市区町村の窓口に相談してください。


Q4. 育休終了後、復職したときに手続きは必要ですか?

A. 児童手当そのものの手続きは不要ですが、毎年6月に「現況届」の提出が必要な場合があります(マイナンバーの活用で省略できる自治体も増えています)。市区町村からの通知を確認するようにしましょう。


Q5. 育休給付金と児童手当は確定申告が必要ですか?

A. 育休給付金は非課税のため、確定申告は不要です。児童手当も非課税であり、申告義務はありません。ただし、育休中に副業収入があった場合など、別途申告が必要なケースもあります。詳細は税務署または税理士に相談してください。


まとめ:育休中の児童手当手続きチェックリスト

育休と児童手当の手続きを漏れなく進めるために、以下のチェックリストを活用してください。

  • [ ] 出生から15日以内に市区町村へ児童手当の認定請求書を提出した
  • [ ] 育休の申し出を勤務先に1ヶ月前までに行った
  • [ ] 育休給付金の申請手続き会社経由でハローワークに依頼した
  • [ ] 児童手当の申請書類(本人確認書類・健康保険証・通帳など)を準備した
  • [ ] 転居の場合は転入先の市区町村でも認定請求書を提出した
  • [ ] 毎年6月の現況届(必要な場合)の案内を確認した
  • [ ] 2024年10月の制度改正内容を確認した

育休と児童手当はどちらも子育て家庭を支える重要な制度です。制度の仕組みをしっかり理解し、受給できる給付を漏れなく受け取れるよう、早めの手続きを心がけましょう。不明な点は、お住まいの市区町村の子育て支援窓口またはハローワークに相談することをおすすめします。


免責事項:本記事は2024年10月時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細や最新情報については、厚生労働省・内閣府の公式サイト、またはお住まいの市区町村の担当窓口にてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 育休中でも児童手当はもらえますか?
A. はい、育休中も児童手当は原則として受給できます。育休給付金と児童手当は別の法律に基づく独立した制度のため、両方を同時に受給することが可能です。

Q. 児童手当に所得制限はありますか?
A. 2024年10月の制度改正により、児童手当の所得制限は廃止されました。全国民が所得に関わらず同じ金額を受給できます。

Q. 育休中に児童手当を申請する際、必要な書類は何ですか?
A. 認定請求書、本人確認書類、マイナンバー確認書類、健康保険証、通帳またはキャッシュカード、戸籍謄本または住民票などが必要です。詳細は市区町村窓口にご確認ください。

Q. 育休給付金を受け取ると児童手当の支給額が減りますか?
A. いいえ、育休給付金の受給状況は児童手当の支給判定に影響しません。両制度は異なる行政体系で独立しているため、両者は連動しません。

Q. 育休中に児童手当の申請を忘れた場合、遡って受け取れますか?
A. 児童手当は申請月からの支給となり、遡っての支給はできません。出産予定日の前月から申請できるため、早めの申請をおすすめします。

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